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2021.07.12
投稿日:2021.07.12 更新日:2023.01.13
今SNSで注目を集めているハシビロコウ。体長が110cm〜140cmと大きな鳥ですが、ゆったりした動きとつぶらな瞳がとってもキュートで特徴的です。
今回は、そんなハシビロコウについて調査してみました!あまり知られていないハシビロコウの生態についても解説します。この機会にハシビロコウの魅力を知っていきましょう。
目次
ハシビロコウは、ペリカン目ハシビロコウ科ハシビロコウ属に分類されるペリカンの仲間です。主に中央アフリカの熱帯部に生息しており、ルワンダ・タンザニア西部・ザンビア北部・ウガンダなどの淡水の沼でよく見られます。鳥類最大といわれる長い指を持っているのですが、これは沼の多い湿地帯で沈まないためです。
1997年には15,000羽の生息が確認されていたので、近年は5,000〜8,000羽に減少していると言われており、とても貴重な鳥です。絶滅危惧II類に指定されており、保護対象の生き物となっています。
ペリカンの仲間の鳥なので、ペリカン同様に大きなくちばしを持っています。動物園などではあまり大きな動きは見せませんが、くちばしを打ち合わせて音を鳴らすこともあるようです。これはクラッタリングと言われ、ハシビロコウのコミュニケーション方法の一つと言われています。
一般的なハシビロコウは体長110cm〜140cmの個体が、翼を広げると230~260cmにもなり、鳥類のなかではかなり大きな鳥です。体重はオスが約6kg、メスが約5kgといわれています。
夜行性の鳥なので、昼間は高い草の間でじっとしていることが多いです。基本的には単独行動を好み、つがいでも別行動をします。そのため飼育下での繁殖はなかなか難しく、世界でもたった2例しか繁殖に成功していません。
ハシビロコウが好んで食べるのはナマズやカエル、ティラピアなどですが、時にはワニの子供を捕まえて食べることもあります。あのゆっくりした動きからは想像がつきませんよね!
ハシビロコウは動かない鳥と言われています。SNSで話題になったハシビロコウもそうですが、彫刻のように動かないので一瞬置物に見えてしまうことも。
ハシビロコウが獲物を仕留めるときは、じっと待ち続けるという生態を持っているので、雷雨の中でも微動だにしません。どんな天候でも、動かずにじっと待ち続けます。獲物を仕留めるためならどんな状況でもじっと待つ、忍耐力がある鳥なんですね。
動物園で見るハシビロコウもほとんど動かないことが多いですが、15分くらい観察していると微妙な動きの変化を見せてくれるので、機会があればしっかり観察してみてください。時々お辞儀のような仕草をすることもあり、これは親愛を表しているそうです。じっと観察しているとハシビロコウのそんな愛らしい姿も見られるかもしれませんよ!
ほとんど動かないハシビロコウですが、羽を羽ばたかせることはあります。ただ羽ばたきの回数が1分あたり150回程度と、鳥類のなかではとてもゆっくりです。
素早く羽根を羽ばたかせることができない鳥なので、長距離で飛ぶことはできません。ただ獲物を捕獲するときに捕獲ポイントを変えるために大きな翼を広げて100~500m程度飛ぶことがあります。その姿は非常にダイナミックです。
じっとして動かないハシビロコウの特徴的な部分として、つぶらな瞳があります。実は瞳の色は成長とともに変化していきます。幼鳥の頃は瞳が茶色なのですが、少しずつ黄色っぽくなり、老齢になると青色になります。瞳の色を見ると、どれくらいの年齢のハシビロコウなのか予測できますね。
また、ハシビロコウの瞳は突然白くなることがあるのですが、これは砂や水から目を守るためです。第三のまぶたとも言われる「瞬膜」というとても薄い瞼を持っており、これが下がると目が白色になります。動物園では飼育員さんに撫でられて、うっとりしたようにリラックスした表情で瞳を白くしているハシビロコウが見れるかもしれません。
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