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2021.05.31
投稿日:2021.05.31 更新日:2022.03.11
ヒョウモントカゲモドキは、テレビやネットなどのメディアでもあまり見聞きしない生き物 なので、「初めて聞いた」という方も多いでしょう。
その名の通り、ヒョウ柄模様が特徴的な生き物ですが、「トカゲなの?トカゲじゃないの?」「日本にも生息しているの?」など、名前だけではわからないことが満載です。
そこで今回は、知る人ぞ知るヒョウモントカゲモドキの生態について、くわしく調べてみました。
目次
ヒョウモントカゲモドキは、爬虫網有鱗目トカゲモドキ科の生き物です。
トカゲ「モドキ」という名前からもお察しの通り、トカゲではなく、ヤモリの一種に分類されます。
体の大きさは、全長20~25㎝程で、オスの方が大きい傾向が見られます。
細長い体は他のヤモリと共通していますが、何といっても目立つのは、全身がヒョウ柄の鱗で覆われているところ。
一見するとすべすべした体表をしているように思えますが、実際には細かい粒状の鱗が全身を覆っており、触るとぷりぷりとした柔らかい感触がします。
主な生息地はアフガニスタン南部や東部、インド西北部、パキスタンといった砂漠の乾燥地帯 です。
日本では、ヒョウモントカゲモドキをペットとして飼っている人は多く、日本では英名の「Common leopard gecko」を縮めて「レオパ」という愛称で親しまれています。
食性は肉食で、コオロギやクモ、サソリといった節足動物のほか、ピンクマウスなどの小型ほ乳類を捕食することもあるそうです。
日本でよく見られるニホンヤモリと同じく、ヒョウモントカゲモドキも繁殖期になると、オス1匹に対し、複数のメスを集めてハーレムを形成します。
ハーレムを形成にするにあたり、ヒョウモントカゲモドキのオス同士は尾で相手を叩く、手足を噛むといった激しい戦いを繰り広げ、メスを奪い合うのだとか。
見事ハーレムを形成した後は、メスは2週間に1回のペースで1~2個の卵を産み続けます。
野生のヒョウモントカゲモドキは、気温の低い(15~20℃程度)冬季にしか発情・交尾しませんが、家飼いのヒョウモントカゲモドキでも、擬似的に冬季を体験させれば繁殖させることが可能です。
ヒョウモントカゲモドキは普段は高温下で飼育しますが、繁殖するときは低温飼育に切り替えます。これをクーリングといいます。
クーリングに成功すると、オスは尾を振るわせてメスにアプローチを行い、メスも発情期を迎えていれば、そのまま交尾がスタートします。
ただ、交尾がいつもうまくいくとは限りません。オスやメスにやる気がなかったり、オスまたはメスが威嚇して近寄らせてくれなかったり、場合によってはケンカが始まってしまうこともあります。
ハーレムというと幸せやぜいたくの象徴というイメージがありますが、ヒョウモントカゲモドキの世界では、なかなか厳しい面もあるようです。
多くの生き物は、お母さんのお腹の中にいるときから性別が決まっていますが、ヒョウモントカゲモドキは、なんと産まれるまで性別が決まっていません。
実はヒョウモントカゲモドキは性別を決定する「性染色体」を持っておらず、発生時の温度によってオスになるか、メスになるかが決まる仕組みになっています。これを「温度依存性決定」といいます。(※注1)
つまり、温度管理を行えば望み通りの性別のヒョウモントカゲモドキを繁殖させられることになりますが、実際にはそう簡単な話ではありません。
なぜなら、発生時にオスになるのは外気温が29~33℃の時のみで、それ以上でも以下であっても、メスが産まれてしまうからです 。ただし、発生時気温は下限が24℃、上限が35℃と言われています。
どうしてもオスを繁殖させたいのなら、ふ化時の外気温が29~33℃になるよう、温度管理を徹底しなければなりません。
ヒョウモントカゲモドキを含む爬虫類は、恐竜時代から存在している歴史の長い生き物です。
刻々と変化する環境に対応するため、時代ごとに自らを品種改良しながら生き続けてきたため、生き物の中でも特に長寿とされています。
実際、トカゲやヤモリなど小さな爬虫類でも、その平均寿命は7~10年と長めです。
特にヒョウモントカゲモドキの平均寿命は、野生では約15年、飼育下の場合は約20年と非常に長く、同じヤモリの中でも長寿であることがわかります。
日本でペットとして飼われている犬や猫の寿命はおよそ10~15年ですので、ヒョウモントカゲモドキはそれ以上長生きするわけです。
ただ、約20年というのはあくまで正しい方法で飼育した場合の話で、健康管理や温度管理などを怠ると、数年で死んでしまうこともあります。
ヒョウモントカゲモドキはデリケートな生き物なので、ペットとして飼うときは最低限の飼育ポイントをしっかり押さえておきましょう。
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