TOPへ戻る

2020.04.22

コアラの生態と種類について調べてみた!

投稿日:2020.04.22 更新日:2022.03.11

コアラは大人も子供も大好きな、世界的に人気のある動物です。動物園でもコアラを展示しているスペースには、家族連れの大行列ができるほど。しかし、コアラといえばオーストラリアを連想するだけで、詳しいことは知らないという人がほとんどでしょう。かわいいコアラの生態や特徴を調べてみました。

コアラは双前歯目コアラ科コアラ属の種で、カンガルーやウォンバットなども同じ仲間です。コアラの生息地域はオーストラリア東部のユーカリの林などで、川沿いや海辺の近くを好んで棲んでいます。体は灰色の毛で覆われており、体長は65~80㎝くらいで、体重は5~15㎏、約13~18年の寿命があります。

愛くるしい顔とおっとりした動作が人気ですが、手足の指には長く鋭い爪があります。コアラはオーストラリアの先住民が食料としていましたが、捕獲数はそれほど多くありませんでした。しかし、18世紀に欧州人が入植してくると、コアラの毛皮を取るために多くのコアラが捕獲されました。

また、コアラが棲む森林が伐採されるなど、コアラの生息地が奪われる事態も重なって、生息数が激減していきました。現在、コアラは絶滅危惧種に指定され、手厚く保護されているので、生息数も徐々に増えています。

3種類のコアラの生息地
3種類のコアラの生息地

「オーストラリア=コアラ」というイメージがあるので、コアラはオーストラリア全土に棲んでいると思いがちです。しかし、実際にはオーストラリアの北東部から東部、南部にかけての沿岸地域の森に棲んでいるだけで、オーストラリアの西半分にはまったくいません。コアラには、「クイーンズランドコアラ」と「ビクトリアコアラ」と「ニューサウスウェールズコアラ」の3種類があります。

しかし、この種類は学会で正式に認められたものではありません。コアラには謎が多く、生態もまだすべてが明らかになっているわけではないようです。コアラには指紋がありますが、人間と猿の仲間以外で指紋があるのはコアラだけです。コアラは枝をつかんで行動することが多いため、指紋ができたのだろうといわれていますが、その指紋の構造は人間のものとそっくりで、電子顕微鏡で見ても区別がつかないくらい似ているそうです。

クイーンズランドコアラ

オーストラリアのクイーンズランド州の森や、ユーカリ林に棲んでいるコアラです。クイーンズランドコアラは、コアラ保護区の「ローンパイン・コアラサンクチュアリ」に約130頭生息しています。

ビクトリアコアラ

オーストラリアのビクトリア州と、南オーストラリア州南東部のユーカリ林に棲んでいるコアラです。オーストラリアの「メルボルン動物園」や「ヒールズビル自然動物園」に行くと、ビクトリアコアラが見られます。

ニューサウスウェールズコアラ

オーストラリアにある、ニューサウスウェールズ州のユーカリ林に棲んでいるコアラです。オーストラリアの「オーストラリアン・レプタイル・パーク」や、「フェザーデール・ワイルドライフ・パーク」に行くと、ニューサウスウェールズコアラが見られます。

コアラは動作が遅いためほかの動物に捕獲されやすいので、ほとんど木の上で過ごしています。そのため手足の指に指紋が発達したわけですが、もし木から降りると自分がいた木を見失って、迷子になってしまうといわれています。動きの鈍いコアラは、地上に降りると命の危険に晒されます。

そのため山火事などでも木から降りようとしないため、逃げ遅れて焼死するコアラが後を絶ちません。コアラはほとんどユーカリしか食べませんが、ユーカリには毒があるためほかの動物は食べません。しかも、ユーカリには蛋白質などの栄養分が少ないので、ほかの動物には食べる価値がないのです。

動きの鈍いコアラは、そこに生き残る道を見出しました。誰も食べようとしないユーカリを主食にすれば、ほかの動物と食料を奪い合うこともありません。つまり、無用な争いを避けて平和に生きていけるのです。

しかし、ユーカリの毒を解毒するためにかなりのエネルギーを使うため、ほとんど寝て過ごすしかなくなってしまいました。つまり、木の上でじっとしている愛くるしいコアラは、生きるために必死にユーカリを解毒している真っ最中なのです。

コアラには、「クイーンズランドコアラ」と「ビクトリアコアラ」と「ニューサウスウェールズコアラ」の3種類があります。「オーストラリア=コアラ」というイメージですが、実はオーストラリアの西半分にはコアラはまったく棲んでいません。現在コアラは絶滅危惧種に指定されており、いくつかの保護区で手厚く育てられています。

関連する記事