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2019.12.13

作家さんに聞いてみた!② ぬいぐるみ工房nuwasu編

投稿日:2019.12.13 更新日:2023.03.15

いきものグッズ専門ネットショップ「いきもーる」には、たくさんの個人作家さんたちのグッズがラインナップされています。
素敵ないきものグッズを生み出す作家さんたちは、一体、いきものに対してどれだけの愛を持ち、どんなことを想いながらグッズを制作されているんだろう…。ふと、そんなことを思った「いきふぉめ〜しょん」編集部員が、「いきもーる」でグッズを販売している作家さんへインタビューをおこないました!
作家さんたちが語ったグッズ制作への想いや、一番好きないきものへの愛を、シリーズでお届け。第2弾に登場していただくのは、『ぬいぐるみ工房nuwasu』さんです!

---はじめまして! まずは、簡単に自己紹介をおねがいします!

ぬいぐるみ工房 nuwasu さん
ぬいぐるみ工房 nuwasu さん

ぬいぐるみ工房 nuwasu:岐阜県在住のぬいぐるみ作家『ぬいぐるみ工房 nuwasu(ぬわす)』です。

---どんなぬいぐるみを制作されているんですか?

ぬいぐるみ工房 nuwasu:いきものをリアルに再現したぬいぐるみシリーズと、郷土玩具などからテーマを得たオリジナルのぬいぐるみがあります。一番古いいきものシリーズはサメで、元々好きなこともあって細部こだわって仕上げています。今はサメだけで14種類あります。

---サメだけで14種類も! やはり、いきもの中ではサメが好きなんですか?

ぬいぐるみ工房 nuwasu:サメとマンボウが好きです! サメの完成された美しさは見ていて飽きません。ディスカバリーチャンネル製のホホジロザメがひたすらジャンプするDVDを持っていて作業中流しています。
マンボウは…、面白い魚ですよね。志摩マリンランドという水族館にマンボウがいっぱい泳いでる水槽があり、ぼんやり見ていると時間を忘れます。

---たしかにマンボウは、顔も泳いでいる姿も面白いです(笑) 自らリアルなぬいぐるみを作成しようと思われたきっかけはなんだったんですか?

ぬいぐるみ工房 nuwasu:10代のころから、水族館や動物園のグッズがちっともリアルじゃないことに不満があって。市販品でリアルなぬいぐるみが無かったので作ろうと思いました。2012年ごろからぬいぐるみを作り始め、どんどん種類が増えて、今は、140種くらいの形状があります。
最近は、大手のメーカーさんもマニアックなぬいぐるみを作っておられたりして、いい時代になったなと思います。

---1人で制作をされていて、140種も生み出しているなんて…! すごいですね! 個人作家さんたちは、それぞれこだわりの環境でグッズ制作をされていると思うのですが、ぬいぐるみ工房 nuwasuさんはどんなところで制作されているんですか?

作業スペース
作業スペース

ぬいぐるみ工房 nuwasu:6畳の空間にミシン机とPC、食卓を片付けて布を広げています。ミシンは義母から貰い受けた年代物のブラザー元足踏みを、電気式に改良したものです。

ぬいぐるみ工房 nuwasu さん愛用のミシン。
ぬいぐるみ工房 nuwasu さん愛用のミシン。

---お義母さまから受け継いだものを改良されて使い続けているなんて素敵ですね! ぬいぐるみ制作に対するこだわりや、制作中に考えていることを教えてください。

ぬいぐるみ工房 nuwasu:ブランドコンセプトは「いきものはとにかくリアルに再現する」です。サメのオスの生殖器は身体の外に二本ついているのですが、それもきちんと再現しています。子どもたちの学習のためにというわけではなく、いきものが本来持っている造形美、形の意味を表現したくてそうしています。

制作中に考えていることは…、量産しているときは大したこと考えてませんね。効率よく手を抜かず、とは思ってます。

新しいものを開発するときは、脳が煮えそうになるくらい考えたり試行錯誤しています。モチーフのいきものが出ているドキュメンタリー番組を録画再生一時停止してスケッチしたり、図書館にある図鑑を全て調べたりして情報を集め、図面を引きます。楽しいけれど大変な仕事なので、新規のいきものは年に数種類しか生み出せません。

---いきもののリアルな姿を再現することに、徹底的にこだわってらっしゃるんですね…! グッズの制作や販売をする中で、楽しい瞬間、嬉しい瞬間ってどんなときですか?

じぇんつー(立ち)とヒゲペンギン
じぇんつー(立ち)とヒゲペンギン

ぬいぐるみ工房 nuwasu:新作ができると嬉しいですし、既存のかたちでも初めての布で作るときは、完成するとわくわくします。お客様のお手元に届いてお気に召していただけたときは本当に嬉しいです。

---グッズ関連で、一番心に残っているエピソードは?

ぬいぐるみ工房 nuwasu:遠路はるばる個展に来てくださった二人のお客様のエピソードが印象深いです。
一人目は、長野県から岐阜へ来てくれた若いお嬢さんでしたが、「生まれて初めて一人で県外に行こうと思いました」とおっしゃって。

二人目は、富山から岐阜へ雪山を越えて運転して来られて、「ぬいぐるみを買おうと思ったのは人生で初です」と言ってくださって。そんな行動を起こさせる影響力が私の作品にあるんだと実感し、天職として誠実に向き合っていこうと思いました。

---それは嬉しいエピソードですね! 逆に、大変なことや苦労していることはありますか?

ぬいぐるみ工房 nuwasu:大変なことは…、ご注文件数が増えても生産速度はそんなに上げられないので、お待たせしてしまうことですね。ご注文から時間が経った案件のことを考えるとものすごく辛いです。悩んでも仕方ないので手を動かすだけですが。

---全て手作りで、こだわって制作されていらっしゃるが故の悩みですね…! 受注生産で、現在の納期は半年から1年とのことですが、それだけ待ってでも欲しくなる魅力が、『ぬいぐるみ工房 nuwasu』さんのぬいぐるみにはあると思います! 私も、マンボウのぬいぐるみが欲しいです(笑)
それではここで、『ぬいぐるみ工房 nuwasu』のぬいぐるみの中のイチオシを教えてください! 選べないとは思うのですが、記事化する関係で、今回は3点でお願いします。

ジンベエザメ
ジンベエザメ

ぬいぐるみ工房 nuwasu:1つ目は、ジンベエザメ。一番人気のサメです。背中のすじ状の突起、大きな口、子宮があって子サメがいることに加えて今年からは模様のある布でも作成しており、まだまだ色んな表情を見せてくれそうな作品でとても気に入ってます。

ヒゲペンギン
ヒゲペンギン

ぬいぐるみ工房 nuwasu:2つ目は、ヒゲペンギン。ペンギンはジェンツー、アデリー、コウテイを作成して、4種類目でのヒゲペンギン開発でしたが、一番本物に似ていると思ってます。ペンギンは特に市販のものがかわいくされすぎてると感じていて…。うちの黒デニムのペンギンたちは、本物のペンギンのおかしさ、かっこよさを表現できているから、お客様から評価していただいてると思っています。

子ウバザメ
子ウバザメ

ぬいぐるみ工房 nuwasu:3つ目は、子ウバザメ。これは110cmのウバザメを作成した際に子どもとして作った形状です。子どものウバザメは鼻先が細いらしいので、親とは別で型紙を起こしました。デニムでこのサイズでサメのヒレを全て再現できているぬいぐるみは世界中でもほかに無いと思います。小さいのにしっかりした作りで一番気に入ってる作品です。

---どれもかわいらしすぎなくて、とっても魅力的です! どんなお部屋にも違和感なく置けそうですね。『ぬいぐるみ工房 nuwasu』のぬいぐるみは、どんなシーンで使ってもらいたいですか?

ぬいぐるみ工房 nuwasu:それはご購入くださった方の自由なので。かわいがってもらいたいなとは思います。

---これからの活動についてお伺いします。今後、制作・販売を予定されているグッズについて、可能な範囲で教えてください。

ぬいぐるみ工房 nuwasu:新作のアリゲーターガーの開発をしています。ガー類は2018年から法律で取り引き飼育ができなくなったとのことで、飼えないならせめてぬいぐるみを飾りたいという声をいただき作ることにしました。現在試作一号ができたところですがまだまだ改良の余地があるので直します。簡易Ver.が先に完成したので、そちらの販売からになりそうです。

本物のガーを見たいのですが市内の淡水魚水族館にはいなくて…。サンシャインさんにはいるかしら。

---どんなぬいぐるみになるのか今から楽しみです! 『ぬいぐるみ工房 nuwasu』さんが、作家として挑戦したいことや、将来の夢は?

ぬいぐるみ工房 nuwasu:活動を長く続けることと、すごく先の話ですが、死後著作権として子どもに遺したいです。

---これからも、買った人が幸せな気持ちになる、素敵なぬいぐるみを生み出し続けてください! まもなくインタビューも終わりなのですが、「いきもーる」でいきものグッズを販売されている作家さんということで、水族館にまつわるエピソードを教えていただけますか?

ぬいぐるみ工房 nuwasu:今は大人気の館になってしまった竹島水族館の、改装前の水槽が好きでした。コンクリート打ちっぱなしの正方形の水槽はそれぞれ違う色のペンキで塗られていて、装飾はほぼ無く、薄暗い照明と魚と空間の組み合わせが絵のようですごく美しく感じました。いきものそのものにも興味はありますが、基本的に造形美として見ているんですねきっと。

---絵のように美しい水槽…。私も、見てみたかったです…! それでは最後に、この記事を読んでくださっている方々へ、メッセージをお願いします!

ぬいぐるみ工房 nuwasu:「このいきもののグッズが欲しい!」という声で作家は成長します。いくら作家がいきもの好きといっても、全ジャンルをカバーはできませんから。「いきもーる」さんには、そういう「ご要望伝言板」的な機能もあると面白いかなと思います。あれ、お客様へのメッセージじゃなくなってしまいました(笑)

---「いきもーる」のご担当者さん、ぜひ、ご検討ください! 『ぬいぐるみ工房 nuwasu』さん、ありがとうございました!

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