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2022.08.16

イモリってどんな生き物? 「サンシャイン水族館 いきもの研究室」で両生類のアレコレが明らかに!

投稿日:2022.08.16 更新日:2023.03.15

私たちにとって身近な両生類と聞くと「カエル」が真っ先に思い浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、雨の日に姿を現すカエルも親近感の湧く両生類の一種ですが、「ヤモリ」も雨の日に姿を現しやすい両生類の一種です。
イモリはその形状からヤモリと間違われやすいですが、イモリは両生類、ヤモリは爬虫類といった違いがあります。
「その他に何か違いはある?」と疑問に思われたそこのあなた! イモリとヤモリにはそれぞれ違った特徴が多くあるんですよ。
今回の記事では、イモリに焦点を当てながら、イモリとヤモリの違いについても詳しく触れていきたいと思います。

また「サンシャイン水族館」では7月13日~8月21日まで、「いきもの研究室」として爬虫類と両生類をピックアップしたイベントも開催!
記事の最後ではイベントの詳細もご紹介するので、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。

イモリってどんな生き物?

日本で「イモリ」と呼ばれているものは「アカハライモリ」であることが多く、このアカハライモリは有尾目イモリ科イモリ属に分類される両生類です。
このイモリは日本の固有種で、本州、四国、九州に分布しています。
全長は15cm前後で、4本の指がある短い前足と5本の指がある後ろ足、そして長い尻尾を持っているのが特徴です。
名前の通り、背中側は黒や茶褐色、お腹の部分は赤地に黒の斑点模様があります。
赤みや斑点には個体差や地域差があり、全身がほとんど黒いものやお腹にまったく斑点が無いもの、逆に背中まで赤いものなどさまざまです。

ヤモリとの違いは?

冒頭でもイモリとヤモリは混同されやすいとお伝えしましたが、実際にどちらがどちらなのかわからないという方も少なくはないでしょう。
名前も形状も似ているため、無理もありません。
しかし、イモリとヤモリには大きな違いが存在するのです!

まず冒頭でもお伝えしたように、イモリは両生類でヤモリは爬虫類です。
イモリには鱗が無く全身が粘液によってヌルヌルしているのに対して、ヤモリは全身に鱗があります。
色についてはイモリは先述したように背中が黒もしくは茶褐色でお腹の部分は赤地に黒の斑点模様がありますが、それに対して主に見かける二ホンヤモリは灰色や褐色、中には白い色をしている個体もいるため、色で見分けるのが一番わかりやすいかもしれません。

ちなみにガラス窓などによく張りついているのはイモリではなくヤモリです。
ヤモリには足の先(手?)に「趾下薄板(しかはくばん)」と呼ばれる器官がついており、そこには超微細な剛毛が生えています。
さらにその毛の先には0.2~0.5ミクロンの小さな突起がついており、この突起に「ファンデルワールス力」という分子と分子が引き合う力が発生し、ガラス窓などの垂直な面に張りついているのです。
イモリは趾下薄板が無く、そして皮膚が濡れているため、ガラス窓に張りついたりといったことはできません。

イモリが有毒生物って本当?

イモリは有毒生物であることはご存知でしょうか?
イモリはお腹の部分が赤色と派手ですが、この派手な色は「毒を持っているぞ!」ということを他の生き物に知らせるための警告色と呼ばれるものなんです。
イモリは陸上で強い刺激を受けると横に倒れて体を反らせ、お腹を見せて身の安全を確保しようとします。
イモリの毒は「テトロドトキシン」というもので、フグが持っている毒と同じ種類です。
日本に生息する両生類でこの毒を有しているのはイモリだけなんだそう。

イモリはペットとしても人気があるくらいなので人間が触った程度では問題ありませんが、その手で目を擦ったりすると危険です。
痛みや炎症が起こる場合もあるため、イモリを触った手でそのまま目などの粘膜に触れないようにしてください。

ちなみにイモリは江戸時代から精力剤や惚れ薬として用いられていたそうで、現在でも一部の地域では焼いて食べることもあるみたいです。
イモリを食べたことによる死亡例は報告されていません。

イモリは驚異の再生能力を持っている!?

またイモリはかなり高い再生能力を有していることでも有名。
例えば尾や足を切ったとしてもイモリは骨まで再生させることができ、完全に元の状態に戻ることができるそうです。
尾や足だけであれば、骨までは難しくてもトカゲやヤモリも再生しますが、イモリはなんと眼のレンズ(水晶体)までも再生します!

1895年にドイツのウォルフ博士がイモリの眼から水晶体を除去した後にどのような変化が起こるかを実験した際、虹彩の細胞が変化して水晶体が再形成されたことがわかりました。

これだけでもかなり驚きですが、さらにさらに……イモリは心臓を再生することもできるんだとか!
イモリの心臓にある心筋細胞が分かれて増殖し、組織を再生している可能性があるとして、現在研究が進められています。

心臓まで再生させることができるなんて、不死身の生き物と言っても過言ではないのではないでしょうか!

「サンシャイン水族館 いきもの研究室」第2弾で爬虫類・両生類をピックアップ!

サンシャイン水族館では現在、「サンシャイン水族館 いきもの研究室」を開催中!
2022年7月13日(水)~8月21日(日)の間はその第2弾として「爬虫類・両生類」をピックアップしています。
飼育スタッフだからこそ語れる爬虫類・両生類の魅力を皆さんにお伝えするので、夏休みの自由研究などにはもちろん、爬虫類・両生類好きの方がさらに知識を深めるのにもピッタリです!

今回の記事でご紹介したイモリの基本知識はもちろん、専門書などでしか知ることのできない両生類の驚きの生態をご紹介するので、ぜひ足を運んでみてください!

両生類についてもっと知ろう! 「サンシャイン水族館 いきもの研究室 第2弾~爬虫類・両生類編~」の詳細

【第2弾爬虫類・両生類編 開催期間/会場】

開催期間 2022年7月13日(水)~8月21日(日)
営業時間
水族館HPをご覧ください。
https://sunshinecity.jp/aquarium/ticket/
会場 サンシャイン水族館 本館
東京都豊島区東池袋3-1
サンシャインシティ
ワールドインポートマートビル 屋上

【いきもの研究室 入場料金】
無料
※別途水族館の入場料が必要です。

【サンシャイン水族館入場料金】

こども(小・中学生) 1,200円
大人(高校生以上) 2,400円~
※時期により大人区分のチケット料金が変動いたします。
幼児(4才以上) 700円

▶「サンシャイン水族館 いきもの研究室」特設ページへ

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