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2021.09.30

いきものAZ コラム企画『いきものがたり』饗場空璃

投稿日:2021.09.30 更新日:2022.03.22

※こちらは過去に【いきものAZ】内で公開されたコラムです。

いきもののスペシャリストに、いきものについてのコラムを書いていただく本企画。

今回は・・・、

魚大好き高校生でお馴染みの饗場空璃(あいばそらり) さんに、しながわ水族館の 冬の特別展「ここが#きゅんです! 深海生物」と、サンシャイン水族館のイベント「ゾクゾク深海生物2021」について取材していただきました!

『深海生物にもこんな可愛い一面が⁉ここがきゅんです!深海生物展 at しながわ水族館!』

いきものAZをご覧の皆様、初めまして!

お魚大好き高校生の饗場空璃(あいば そらり)です!

僕は全国から魚を集め皆様にご紹介し知って頂く活動をしています!

今回は今冬にしながわ水族館そしてサンシャイン水族館で開催されている深海生物展についてのレポートを皆様にお届けします!

現在、日本中で大人気ブームが巻き起こっている深海生物。

本来なら生きた姿も見られないような貴重な生き物達が沢山いましたよ!!

一本目はしながわ水族館で開催されている「ここが♯きゅんです!深海生物」へ伺ってきたのでその様子をお届けしようと思います!

大森海岸駅から10分ほど歩くと見えてくる大きなイルカのモニュメントがしながわ水族館への入り口です!

コロナ禍ではありますが感染対策がしっかりされていたため、安心して館内で過ごすことができました!

早速館内B1階の多目的ホールで開催されている深海生物展の会場に向かうとイガグリガニ達が迎えてくれました!!

ポスターにも大迫力に印刷されているこのイガグリガニ、名前の通り栗のイガのようなトゲが沢山生えており身を守るためと言われていますが、実は目がつぶらでとても可愛いんですよ!

是非ご覧になった際は青く輝く目を探してみてくださいね!

早速ホールに入ってみましょう!

タイトルにもなっている「きゅんです!」

このフレーズと共に普段見ることがない深海生物達の隠れた可愛い一面を見ることが出来ました!

「早速あの深海ザメがお出迎え!」

まず出迎えてくれたのは「ラブカ』です!

深海生物好き、サメ好き、魚好きの皆さんなら誰しもが知る有名な深海魚ですね!

今回の深海生物展では貴重な剥製が展示されており、図鑑の写真や映像では伝わらない特徴的な三又の歯や大きく横に開いたまるで笑っているかのような口を観察することが出来ましたよ!!

この様に実物が見られるのも深海展の大きな魅力ですね!

勿論貴重な生きた深海生物達も沢山おり、有名な子からとても珍しい子までとても充実していました!!

その中から何種かピックアップしてご紹介しようと思います!

「触覚が揃っている姿は超激レア!? クボエビ」

ホールに入って何槽か水槽を見ていくと特徴的な触覚を持ったエビが目に飛び込んできました!

なんと触覚が欠けていないクボエビだったのです!!

このクボエビ、稀に深海底引き網漁で取れるのですが、殆どの場合他の魚とぶつかってしまって触覚が切れてしまっていることが多いエビなんです!

この体の2倍以上もある長い触覚は外敵から身を守ると共に発音機となっておりギィギィと音を発することができる重要な器官のため、こんなにも綺麗な状態で展示されている飼育員さんには本当に尊敬です!!

「深海の装甲車 キホウボウ」

次にご紹介するのはこちら!

この魚、僕が本当に大好きな魚なんです!!

2対4本の胸びれの一部で歩く様に海底を移動しています!

この足には味蕾という味を感じる器官があり海底の餌を探していると言われています!

この魚らしからぬ動きがまるでネジ巻き式の玩具の様で本当に可愛いんですよ!!

是非皆様も実際に見てその可愛さの虜になって下さいね!

「ヤドカリなのに貝に住まない深海のヤドカリ達」

海水浴や磯遊びでよく見られる生物の中に含まれるヤドカリ、一般的には貝殻を住処としていますが深海には身を守るために貝殻ではなく様々なものを住処としているヤドカリがいるんです!

それぞれが貴重なためなかなか見ることが出来ないのですが、なんと2種類も展示されていました!!

それぞれの宿の特徴も踏まえてご紹介させて頂きます!

〜貝ではなく○に!? カルイシヤドカリ〜

御察しの良い方々は名前で気付かれているかもしれませんが、なんとこのヤドカリ、石に住んでいるんです!

細かい穴が開いて多孔質となっている石にヤドカリが自分で穴を開けているんですよ!

体の何倍もある大きな石を背負っていますが意外とズルズルと動いていたのが可愛かったです!

〜住処にしているのは毒を持つ生き物!? アシボソシンカイヤドカリ〜

軽石を背負うカルイシヤドカリもなかなかのインパクトでしたが、こちらのアシボソシンカイヤドカリは毒を持つスナイソギンチャクを住処にしています!

一見地味なヤドカリに見えますが、このヤドカリ、生態がほとんど解明されていない非常に貴重なヤドカリなんです!!

僕もまさかこのヤドカリに会えるとは思わず驚きました!!

皆様も是非探してみて下さいね!

※現在アシボソシンカイヤドカリは展示変更のためご覧いただけません。

本当は全員紹介させて頂きたかったのですが、ここまでとさせて頂きます!

残りの深海生物達は伺ってのお楽しみです!とっても個性的な生き物ばかりでした!

しながわ水族館で2月28日まで行われている「ここが♯きゅんです!深海生物」のレポートお楽しみ頂けましたでしょうか?

本当に貴重な生きた子から珍しい標本まで20種類を超える深海生物達が展示されており、まだまだ沢山の深海生物達に会うことが出来ます!!是非伺ってみて下さいね!

次はこの深海展の中で催されているイベントについてお届けしたいと思います!

普通なら絶対に出来ない体験が出来ました!!

 

『深海生物きゅん○○○!?超貴重体験が!! at しながわ水族館!』

2021年2月2月28日までしながわ水族館で開催されている「ここが#きゅんです!深海生物」にて「深海生物きゅんタッチ」なるイベントが行われているとのことで早速伺ってきました!

館内に入って地下B1のイルカ窓へ向かってみると気になるものが!!

早速近づいて見てみると・・・・。

お客さん達が手を伸ばしているトレーを覗き込んでみると沢山の深海生物がいました!!

なんと「深海生物きゅんタッチ」では棘が沢山生えたオニソコホウボウにまるで装甲車の様なヒゲキホウボウ、口が長いサギフエなど普段はなかなか出会えない深海生物達に触れられるイベントだったのです!!

長く伸びた棘が特徴的なオニソコホウボウ

食事の準備で行く魚屋さんでは絶対に出会えない貴重な魚達…

小さい頃から図鑑に載る姿に憧れ、水族館のアクリル越しに眺め続けたあの憧れの深海生物達に触れられる本当に貴重な機会ですよ!!

アンコウの仲間のワヌケフウリュウウオ

図鑑だけでは分からなかった深海生物の感触も体感できるかつ、飼育員さんの解説も聞けるお得なイベントでした!!

こちらの深海生物きゅんタッチは2月28日までの土日祝日の14時〜行われているイベントとなります!

14時からのきゅんタッチを終えた後は15時からの深海生物トークへ!

しながわ水族館で毎日行われている「いきものトーク」、深海生物展の期間中はそのうち2回が「深海生物トーク」として実施されています!

飼育員さんが実際に水槽の前で深海生物の魅力や秘密を教えてくれるため、こちらもとても貴重な機会となっております!

水槽の中で生きている生体、そして飼育員さんが飼育をする中で持たれている知識、そして脱皮柄などの実物を用いての超豪華な「深海生物トーク」。

こちらも必聴です!!!

深海トークは

平日   12:00〜、15:00〜

土日祝日 10:45〜、15:00〜

B1の深海生物展の前で行われています!

是非伺ってみて下さいね!!

こちらはオオグソクムシが入っているとの事で気になっていた辛海カレー!

僕は時間の都合上食べれませんでしたが、必ずリベンジに行こうと思っています!!

皆様も是非!!

次はサンシャイン水族館で行われている「ゾクゾク深海生物 2021」の様子をお届けします!!

ここでしか見ることが出来ない沢山の貴重な深海生物達に会えました!!

本当に熱い深海生物展でしたよ!!

 

『超貴重な深海生物に会えるチャンス!!ゾクゾク深海生物2021! at サンシャイン水族館 』

ラストはサンシャイン水族館で行われている「ゾクゾク深海生物2021」の魅力をお届け出来ればと思っております!!

という事で早速伺ってきました!

水族館に入るとすぐ目の前にいました!深海生物達です!

テーマが見てなるほど!食べてなるほど!知ってなるほど!の今回の深海生物展。

先ずは「見る」所からのスタートです!

オオコシオリエビやミノエビ、ユメカサゴなどのTHE深海生物!と言った非常に可愛い子達が出迎える中、なんと言っても可愛かったのがこの魚名板!

なんと飼育員の方が手描きで描かれたそうです!

一匹一匹の解説も飼育員さんの愛が伝わる魚名板でした!!

出迎えてくれた生きた深海生物達を見ていくと、なんと水中ドローンが!!

実はサンシャイン水族館では年に何回か駿河湾の深海200m付近で水中ドローンの調査をしており、今回の深海生物展ではその超貴重映像を含む結果が展示されているのです!!

普段我々が出会う深海生物達は漁や釣りで陸に上がってくることが多く、多くの深海生物達が水圧の変化で死んでしまった状態で水揚げされます。

一部の深海生物は水圧の変化に強いですが、種類によってはまず生きた姿を見れる事など無い種もいます。

ですが!!!

深海ドローンではその種達の生きた姿を見る事が出来るんです!!!

例えば食用として認知されている「ニギス」という魚がいます。

(こちらは死んでしまった子を僕が撮影した写真です)

まず生きて上がってくる事はなく、どこの水族館でも展示している所はありません…

そのニギスの生きた姿がなんと動画で展示されておりました!!

本当に凄い事なんですよ!!

今まで僕も生きた姿を見た事が無い魚だったので動画が流れて来た際は二度見、更に三度見までする程驚きました!

先程の写真の様なグレーの体色かと思いきやこの光り輝く魚体だったとは…!!

こうした深海生物の新たな一面が見れるのもドローンの素晴らしい所だと思います!!

他にも深海生物の生息する環境を探る事で飼育の面に繋げるなど多くの活動をやられていたので是非会場でご覧下さい!!

水中ドローン用に改造された某ゲーム機のコントローラーも必見です!

そのまま奥へ進むと見えて来ました!

日本でたった2つの水族館でしか飼育されていないゾウギンザメ達です!

サンシャイン水族館ではメス3匹、オス1匹を展示しており、日本で初めて卵の孵化に成功しているんです!

ゾウギンザメ達は常設で展示されており、特徴的な胸鰭で羽ばたく様に泳ぐ姿をいつでも見ることが出来ます!

そして運が良ければ産卵中の卵をぶら下げた姿を見る事が出来るかもしれませんよ‼

そして今回のゾクゾク深海生物2021では、過去卵から幼魚を孵化させ、飼育を行う過程についてを飼育員さんが書かれた「ミニギンノート」が展示されています!!

日本で初めてとなるゾウギンザメの孵化、勿論情報など殆どありません。

そんな中飼育員さん達が様々な餌をあげたり、生後4日のゾウギンザメの様子が書かれているなど本当に貴重なノートでした!!

こちらも必見です!!

ミニギンノートの横には本物のゾウギンザメの卵が展示されていましたよ!

次は「食べる」面からの深海生物を見ていきましょう!

水族館に展示されている深海生物達を採って頂いている深海底引き網では沢山の食用のエビを取っています!

深海のエビというと身近に感じない方が多いと思いますが、例えば「手長エビのパスタ」は深海に生息するアカザエビというエビが使われているんです!

今回はそんな深海に生息するエビを飼育員さん達が食べ比べをしたという事で細かく調査されていましたよ!

中には僕も初めて見たものや、これが食べれるんだ!と驚いた物もあり、非常に濃い内容となっておりました!

先程も書いたアカザエビを始め普段食卓に並ぶ魚達、実は知らない間に深海生物を食べているかもしれませんよ!

高級魚ノドグロ(アカムツ)も立派な深海魚です!

奥へ進むと今回の主役!アカザエビの特設水槽がありました!

先程も述べた通り実は身近な存在のアカザエビですが、「そもそもアカザエビはどんなエビなの?」という疑問に答えるコーナーとなっており、名前の由来や仲間の生き物、小さい時の姿などの質問がとても楽しいコーナーでした!

 

そして3つ目!「知る」面からの深海生物です!!

今回ゾクゾク深海生物2021のラストを飾るのは深海生物達の標本です!

数百年前から調査が続けられて来た深海生物、技術の進歩に伴い生きた姿が見られる事も多くなってきましたが、本来陸上では死んでしまった姿しか見る事が出来ないんです。

そこで古くから後世に記録として残す手段として用いられた貴重な標本達を国立科学博物館からお借りして、今回見る事が出来ます!

「何だ死んでいるのか…」と思った方も侮るなかれ、凄過ぎる子達が展示されているんですよ!!!!

例えば深海魚好きの間でも有名で僕も昔から穴が開くほど図鑑で見続けたフクロウナギ、大きく避けた口が非常に特徴的な深海魚です!

飼育展示が非常に難しくまず生きた姿どころか標本も少なくなかなか見ることが出来ません!

なんとその標本が展示されているんです…..

凄過ぎませんか!!!

夢に出るほど憧れ続けたあのフクロウナギがこんなに間近で見れる機会なんてこのゾクゾク深海生物2021以外に無いですよ!!!!

このフクロウナギの他にも飼育展示が非常に難しくまずもって見る事が出来ない、かなり熱い深海魚達の標本が展示されていました!!

こちらも間違いなく必見です!!!!!

早足でのご紹介となりましたが、深海におけるゴミの問題をテーマとした「ゾクゾク深海キーワードラリー」や毎日11時より開催される飼育員さんから直接解説を聞くことが出来る「ゾクゾク深海バックヤードツアー」、グロテスクなイメージがある深海生物を美しく撮影した写真の展示などなど…

まだまだ盛り沢山の内容となっております!!

最後に、コラムをご覧下さり本当にありがとうございました!!

ご覧頂いた皆様、貴重な機会を頂いたサンシャイン水族館、しながわ水族館の皆様、そして深海生物達に熱く御礼申し上げます。

本当にありがとうございました!!

 

 

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