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2021.11.05
投稿日:2021.11.05 更新日:2022.03.11
立身出世で名前が変わった武士のように、魚の中にも成長するにつれ、名前が変わる種類がいます。それが今回ご紹介する出世魚です!
出世魚の名前の由来や種類、代表的なブリ・スズキ・ボラの名前の変化と生態についてご紹介します。
目次
出世魚(しゅっせうお)とは、稚魚から成魚に成長するまでの間に名前が変わっていく魚のことです。
種類もさまざまで、ブリ、スズキ、ボラなどが代表的です。
またサワラやクロダイ、カンパチなども出世魚の一種です。
出世魚の“出世”とは「社会的に高い地位を得ること」を意味します。
大きくなって名前が変わることと“出世”にどのような関係があるのでしょうか?
これについては明治以前の武士の風習が由来となっています。
当時の武士は子どもの頃は「幼名」、大人になってからは「仮名」を名乗り、地位が与えられれば、それにふさわしい名前に改名することもありました。
例えば、徳川家康は……
竹千代→松平元信→元康→松平家康→徳川家康
と、幼名から仮名だけでなく、出世の度に改名しています。
このような風習から、大きくなるにつれて名前が変わる魚は「出世魚」と呼び、縁起物としても親しまれています。
今回は出世魚の種類の中でも代表的なブリ・スズキ・ボラの名前の変化をご紹介します。
出世魚の代表格ブリは日本各地で呼び名が異なる珍しい魚です。
一般的に80cm以上に成長した個体を“ブリ”と呼んでいます。
自然環境でブリの大きさになるまでには、おおよそ3~5年かかります。
地域別、ブリの名前の変化はこのようになります。
● 関東:ワカナゴ→イナダ→ワラサ→ブリ
● 関西:ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
● 北陸:ツバイソ→コズクラ→フクラギ→ガンド→ブリ
● 九州:モジャコ→ワカナゴ→ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリ→オオウオ(1m以上)
これらはほんの一例で、ブリの呼び名は全て合わせると、100種類以上あるともいわれています。
さらに近頃ではブリの養殖も盛んになり、中型の養殖ブリを「ハマチ」と呼び、天然物と区別するケースもあります。
そのため、お刺身に「ハマチ」と書かれていたら、養殖ブリ、天然の中型ブリ、どちらの可能性も考えられます。
ブリは成長するにつれ、脂の乗りと身の弾力にも変化があります。食卓に上がった際は、味の違いも楽しんでみましょう!
スズキは日本各地(北海道南部から九州まで)に分布し、海に生息していますが、浅瀬や川など淡水でも活動できる魚です。
また呼び名にブリほどの地域差はありません。
ヒカリゴ→コッパ→セイゴ→フッコ→ハネ→スズキ
上記が成長にともなうスズキの一般的な名称です。
また大きさには、魚体が60cm以上のものをスズキと呼びます。
この大きさに成長するまで、4年ほどかかります。
ルアーフィッシングで人気のシーバス。
実は、このシーバスもスズキのことなのです。
とはいえ、シーバスに魚体の大きさによる区別はありません。
フッコもスズキも、釣れてしまえば全てシーバスです。
また、東京近郊で釣れるスズキには下記の3種類がいます。
● マルスズキ
● ヒラスズキ
● タイリクスズキ
このうち出世魚としてメジャーなスズキは“マルスズキ”です。
フィッシングの時はシーバスの大きさや種類も確認してみると、さらに釣りが楽しくなるかもしれません。
暖かい水温を好み、日本では北海道より南に生息するボラ。
水質の汚れにも強いため、都市部でも見ることができます。
ボラも大きくなるにつれ呼び名が変わり、関東・関西でも若干名称が異なります。
● 関東:オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
● 関西:ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
30~40cm以上をボラ、50~60cm以上をトドと呼んでいます。
ボラは成長するとトドになります。
トドと聞くとアシカ科の海獣を思い浮かべますが、名前の由来は動物の方ではなく「とどのつまり」という言葉の方とされています。(所説あり。)
とどのつまり:結局のところ。行きつくところ。
ボラが成長し行きつくところ(とどのつまり)だから、トドになる、という訳です。
出世魚は成長段階だけでなく、採れる地域によっても呼び方が変わるおもしろい魚です。
ブリやスズキ、ボラなど、あなたの住む地域ではどのような名前で呼ばれているのかを調べてみると意外な発見が待っているかもしれません。
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