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2021.03.16

水族館の飼育スタッフになるにはどうしたらいい? 現役飼育スタッフさんに聞いてみた!【前編】

2021.03.16

生き物好きの方にとって、水族館の飼育スタッフは夢の職業ではないでしょうか? 現在学生さんで、将来飼育スタッフになりたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。
飼育スタッフは、専門職。そのため、飼育スタッフになるためにはどうしたらいいのかと悩んでいる方もいらっしゃるようで、実際、「サンシャイン水族館」にも、どうやったら水族館の飼育スタッフになれますか?といったお問い合わせがあるそうです。
せっかく『いきふぉめ〜しょん』というメディアがあるのだから、そのあたりのことを現役の飼育スタッフさんに聞いて記事にしよう!
ということで、「サンシャイン水族館」で飼育スタッフをされている、ヨクラさん(写真左)とツルミさん(写真右)にインタビューをしました!
聞きたいことがいっぱいあった上に、話がかなり盛り上がったため、とっても長い記事になってしまったのですが、飼育スタッフを目指している方にとって有益な情報ばかりなので、ぜひ、最後まで読んでください!

—-まずは、簡単に自己紹介をお願いいたします。

ヨクラ:飼育スタッフ歴2年目のヨクラと申します。島根県出身で、大学生の頃は淡水のクラゲの研究をしていました。現在、海獣チームに所属していて、担当の生き物は、ペンギン、カワウソ、カメ、トカゲということで、大学で学んだことはなに一つ生かせていな…いというわけでもなく、水質についてなど、生かせていることも少しはあります。今は新鮮な気持ちで取り組んでいます!

ツルミ:飼育スタッフ歴11年目のツルミと申します。専門学校を卒業して飼育スタッフになりました。現在は、魚類チームに所属していて、海水魚や淡水魚の他に、両生類、カエルなども担当しています。

—-ヨクラさん、ツルミさん、本日はよろしくお願いいたします! それでは、お二人が飼育スタッフになるまでの経歴を教えてください。

ヨクラ:高校は公立高校の普通科に通っていて、特に水産関係の勉強はしていませんでした。大学に進学する際に、海洋学部・学科がある大学に入りたいと思い、福山大学が小さな水族館も持っていたので、そこで勉強したいと思い入学しました。
その後就職活動が始まるまでは、「宮島水族館」などにボランティアとして2年ほど通い、ほかに3館ほど実習に行くなどして経験を積み、就職活動の際に「サンシャイン水族館」を 受けて採用してもらいました。

ツルミ:私は、高校はスポーツ科でした。その後動物の専門学校に進学して、新卒で別の水族館に就職してから、転職で「サンシャイン水族館」に入りました。

—-ありがとうございます。お二人は、いつから飼育スタッフになりたいと思って、就職のためにどんな準備をされましたか?

ヨクラ:水族館の飼育スタッフになりたいと初めて思ったのは、小学校3~4年生くらいの頃です。地元の水族館でいろいろな出会いがあって目指し始めたのですが、本格的に就職のための準備を始めたのは、進路を考え始めた高校2年生くらいの時。
そこから漠然とではなく本気で目指そうと思って、どちらかというと飼育スタッフではなく学芸員になりたかったので、専門学校ではなく、学芸員資格が取れる大学の海洋学科へ進学しました。
海洋学科なのですが、入ったら養殖関係の勉強がメインであまり水族館関連の授業はなく、その代わり元水族館職員の先生が2~3名いらっしゃって、その方たちに、どこに実習行ったら良いですかとか、ここの水族館の方と話がしたいのですがつなげてもらえませんかとか、自分から積極的にいろいろコミュニケーションをとりました。その結果、いろいろな水族館の方からお話を聞けたり、実習などで経験を積むことができたりして、それが就職活動の際に生きたのではないかなと思っています。

—-学芸員と飼育スタッフにはどんな違いがあるんですか?

ヨクラ:正直、日本ではあまり明確な違いがなくて…。欧米だと、完全に学芸員と飼育スタッフに分かれていたりします。日本は、飼育スタッフが、生き物の飼育もしつつ、教育活動もしつつと、全部受け持っている感じになるので、学芸員資格のない飼育スタッフでも、やっていることは学芸員の仕事だよねってこともよくあります。

—-明確な違いはないんですね!
もし良ければ、飼育スタッフになりたいと思うきっかけになった、地元の水族館での出会いのエピソードを聞かせてもらえますか?

幼少期のヨクラさん

ヨクラ:島根県出雲市に「ゴビウス」という水族館があって、小学校3~4年生くらいの時に、タガメの里親になろうというイベントに参加しました。タガメの赤ちゃんを何匹かもらって、家で大人になるまで育てたら「ゴビウス」に返して、展示をしたり野生に返したりっていうもので、イベントの最後に、タガメのエサになる魚を「ゴビウス」の近くの川で獲って帰ろうということになって。タモを貸してもらって参加者みんなで獲ったのですが、小学校1年生くらいからずっと、タモを持って近所の田んぼとか側溝とかを漁っていたので、その時の僕はもうすでにタモ歴3年くらい。なので、まぁまぁ腕に自信があって(笑)

—-もうプロですね(笑)

ヨクラ:すごい勢いで獲ってたら、「ゴビウス」の飼育スタッフの人がやってきて、「君、タモ使うの上手いね」って言ってくれたんです。小学校3~4年生なので、シンプルにそれが嬉しくて。「いいね。君、上手だね。すごいね」って言ってくれた人がすごくかっこよく見えて。もともと生き物が好きだったので、生き物に触れ合いながらこんなかっこいい人になれるなんて、飼育スタッフって一石二鳥じゃん!って思ったのがきっかけです。
その時に、獲った魚の解説をされていたらそうは思っていなかったかもしれません。シンプルに魚を捕まえたことを褒めてもらって良い気分になったというか、魚はもともと好きだったので、飼育スタッフも含めて水族館を丸ごと好きになったという感じです。

—-今回は、その人に会いに行く企画なんですかね?(笑)

ツルミ:えっ!? びっくりした!

タカハシ:サプライズ!?

—-サプライズ企画はありません(笑)

ヨクラ:その人とは、大学4年生の時に実習で会って…、緊張して話しかけられなかったんですけど(笑) そこそこ上の人になってて、別の建物にいて。実習仲間に行けよって言われたんですけど、ちょっと恥ずかしくて…。

—-そこはいくとこですよ…!

ツルミ:感動の再会かと思った(笑)

ヨクラ:「ゴビウス」は、他にもいろいろとエピソードがあって。もともと「ゴビウス」で働きたかったので、高校1年生の時に、意を決して受付の方に飼育スタッフさんを一人呼んでもらえませんか?って言って…。

—-すごいですね!

タカハシ:積極的!

ヨクラ:すごい失礼なんですけど、アポ無しで行って出てきてもらって。「どうしましたか?」って言われて、「ここで働きたいんですけどどうしたらいいですか?」って言った記憶があります。
緊張して30分くらい入り口でうろうろしてたレベルなので、あまり覚えてなくて。その時話した人が最後に、「最終的に運だよ」みたいなことを言っていたのだけ覚えています。
それで大学4年生の時、「サンシャイン水族館」に内定をいただいた後に「ゴビウス」に実習に行く機会があり、そうしたら、その高校1年生の時に話した方もいらっしゃって。
絶対に僕のこと覚えていないだろうなと思っていたら、「君、6年前くらいに、僕と話したことなかったっけ?」って言ってもらえて。

ツルミ:おーすごい!

ヨクラ:「覚えてますか? 高校1年の時に、ここで働きたいって言ったんですが」って言いました。「実は、サンシャイン水族館に内定をもらっていて、このままいけばサンシャイン水族館で働けるかもしれないです」っていう話をしたら、すごく喜んでくれました。「お前本当かよ!」みたいな。
その人とは、今でもメールとかでちょこちょこ連絡を取っています。

—-ドラマですね…!
では、ツルミさんはいつから飼育スタッフになりたいと思ったのですか?

学生時代のツルミさん

ツルミ:飼育スタッフになりたいって思ったのは保育園児の頃で、「私はイルカのお姉さんになる!」ってずっと言ってて。よく旅行で水族館に連れて行ってもらっていたなぁっていうのも覚えています。
高校で進路を決める時、スポーツ科にいたので、学校の先生からは体育大学を勧められたのですが、「私は動物関係の学校に行きます」って言いました。大学進学も考えたのですが、ちょっとお勉強に自信がなくてっていうのと、調べたら動物の専門学校がすごくいっぱいあったので、専門学校にしました。
私が行った専門学校はタカハシさんと一緒で、私が後輩なんですが、そこの学校は、実習で全国の水族館に行けたり、学校で生き物を飼育しているところだったので選びました。
就職のために具体的にどんな準備をしたかっていうとそこまでの準備はしていないのですが、進学先を決める前に、オープンキャンパスでいろいろな学校を見て回ったりはしましたね。
ちなみに高校は、水産高校と迷ったんですが、高校はいいかと思ってスポーツ科に進みました(笑)

—-お二人とも、小さい頃からの夢をそのまま叶えられたんですね!

ヨクラ:そうですね。

タカハシ:多分飼育スタッフは、小さい時になりたいと思ったのが、進路を決める時に出てきてっていうパターンが多いのかなと思います。

ツルミ:多いですね、確かに。

—-本当に強い思いがないとなかなかなれないですよね。お仕事大変だと思いますし。
お二人は、大学の海洋学科、動物の専門学校と、生き物に関連のある学校を卒業されていますが、飼育スタッフになりたいと思ったら、どんな大学の学部・専門学校に進学したら良いでしょうか?

ヨクラ:正直、どこでもいいと思います(笑) 別に、水産系の学部じゃなくても、仮に経済学部に行ったとしても、だから採用しないということは絶対にないと思うので。
実際、サンシャイン水族館をプロデュースされた中村元さんも、経済学部出身で鳥羽水族館の副館長などもやられていたので。
ただ、水産系の学部とかに行くと、水族館に就職した先輩がいたりとか、もともと水族館で働いていた人が先生になっていて情報をもらえたりとか、多少有利であったりはします。

—-募集要項などで、学部などを指定されることはないんですか?

ツルミ:そういう指定をしているところもあるかもしれないですが…。

ヨクラ:園館によりますね。

ツルミ:そうですね。園館によっては、学芸員資格を持っているという条件を出しているところもあるので、そうなると、大学の水産系の学部に進学して、そこで学芸員資格を取った人しか受けることができません。
それから、動物の専門学校の中にも、陸上動物の学校もあれば、私が進学したドルフィントレーナー専攻っていうイルカのことだけを学ぶ学科もあったり、あとは、水族館の飼育専攻とかもあります。
飼育スタッフになる道はもちろんいろいろあるんですが、先ほどの学芸員資格のように限定的な募集もあったりするので、将来的なことを考えて大学に進学して学芸員資格を取った人とか、専門学校の水族館の生き物に関連する学科を卒業した人がやっぱり多いは多いです。

—-飼育スタッフになること以外考えていなくて、就活を有利に進めていきたいなら、水産系の学科がある大学や専門学校に進学するという感じなんですね。
ということは、飼育スタッフになるために必須の資格はない…?

ヨクラ:必須の資格はないと思います。
先ほど出たように、特定の資格の所持者のみを募集している園館もありますが、全てではないので。ただ、あって便利なものはありますけど。

ツルミ:採用担当ではないのでわからないですが、特には書いていないけれど、あった方が良い資格を持っている人と持っていない人が応募した場合、それ以外が同じような条件だったら、入社してからその資格を取る人より、既に持っている人の方を採用するってなるかもしれないので、役立つ資格は持っておいた方が良いかも。必須ということではないですが。まぁ、潜水士とかはもっておいた方が良いと思います。

ヨクラ:潜水士はあった方が良いと思います。いくらダイビングライセンスのCカードとかを持っていて、私深くまで潜れますって人でも、潜水士資格がないと仕事で潜れないので。潜水士はあるにこしたことはないと思います。

タカハシ:自動車運転免許と一緒で国家資格なので、もちろん会社としては潜水士を持っていない人は潜れませんっていう規定になっています。いくらダイビングライセンスの一番上を持っていても、潜水士ないでしょって。

ヨクラ:それからさっき僕が言った学芸員の資格も、無いと教育活動に携われない訳ではないので別に必須ではないけれど、あった方が有利かなって。
飼育スタッフになるにあたって、あるにこしたことはない資格はいっぱいありますね。危険物の取り扱いだったり、専門的な生き物の技能検定もありますし。海獣も魚類も、飼育の知識となってくると本当に幅が広くなってくるので、ここではちょっと言い切れないですけど…。
知識を増やすなら、大学生の就活時期なんてチャンスでしかないと思います。4年生になってくると授業も一通り終わっていると思うので、それこそ水族館に就職した先輩とかにどういう勉強をしたらいいですかって聞いて、それを徹底的にやるといいと思います。

ツルミ:あとはやっぱり、小さい頃から飼育スタッフになりたい、水族館に就職したいっていう人って、生き物のことしか見たり、学んだりしてこない人が多いのかなっていう印象があるので、もうちょっと幅を広げた方が良いと思います。
私が水族館に就職してから思ったのは、生き物がどう見えたらきれいなのかとか、照明とか、演出関係にももっと興味を持って見ていればもっとつながったのかなって。この魚が、このイルカが、というふうにしか見てこなかったので。

ヨクラ:それはあると思いますね。

ツルミ:あとは、お客さまのことも、どういうものに興味があるのかなって観察してみるとか。私たち飼育スタッフが見て欲しいものが、マニアックすぎて伝わらなかったりとかがあるので…。幅広く見てみるといいと思います。
あ、地方の水族館に就職するなら、運転免許は持っておいた方が良い。私も最初は地方にいたので、無いと結構大変でした。

タカハシ:研修の時に、これから取るならAT限定より、MTの方が良いと言われたことがあります。水族館って軽トラを運転してエサを運んだりすることがあるので、MTの方が採用率上がるよって。じゃあMTだって、無駄にMT取りました。

ヨクラ:僕もMTです。ペーパーだけど(笑)

—-就職活動についてですが、どうやって採用情報を見つけるんですか? それから、どういう就職活動を実際にやったのかなというところと、一般的な就活と違いはあるのかというところをおしえてください。

ヨクラ:僕が採用情報を見つけた方法は、まず、水族館のWebサイトを徹底的に見て採用情報が出ているかを確認する。それから、大学にいる元水族館職員の先生に直接聞いてみる。たまに、表にまだ出ていない水族館の採用情報とかを持っていたりすることもあるので、そういう情報を先に仕入れます。
あとはSNS。TwitterやFaceBookでも採用情報を公開している園館はありますし、この園館で採用情報が出ていますよって教えてくれるアカウントもあるので。大きくはその3つのパターンでした。
一般的な就活と違うのは、大学の場合、採用情報を講堂に貼り出してくれたりするんですが、水族館の飼育スタッフはレアというか、そういうところにはほぼ出ないので、自分で調べるしかないと思います。

—-新卒向けの就職情報サイトには出ていたりするんですか?

ヨクラ:サンシャイン水族館は…

タカハシ:出している時もあります。総合職だけ出していることも。総合職と飼育職で別々に募集をかけるので、一緒に載ってるかどうかは…。

ヨクラ:規模が大きい園館は、今タカハシさんが言っていたように、飼育スタッフだけじゃなくて総合職も一緒に募集しているので就職情報サイトにも出やすいですが、地方の園館はまぁ出ないので自分で探すしかないですね。

—-専門学校はどうですか?

ツルミ:専門学校は、結構、先生から情報をもらえます。でもやっぱりWebサイトはいつも見なさいって言われて、そこから情報を拾ってっていうパターンもあります。あとはよく実習に行くので、実習先に良く思ってもらえると、募集をしていなくてもあの時のあの子が良かったからって学校に連絡がきて就職する子もいました。私は園館のWebサイトから連絡をしたら、「ハローワークに行ってください」って言われてハローワークから応募したこともあります。すごく珍しいと思いますけど。

—-いわゆる一般的な就活ともちょっと違う感じですかね。専門職系はみんなこうなのかもしれないですけど。

ヨクラ:より自分から行かないと。待ってても来ないですね。

—-中途でも飼育スタッフになるチャンスはありますか? また、他の動物園や水族館からの転職はありますか?

ヨクラ:他園館からの転職は普通にあります。っていうことぐらいしか、今の僕の経験だと話せないですね…(笑)

—-では、実際に他園館から転職をされたツルミさんに聞いてみましょう。

ツルミ:私は1年間他園館にいて、ちょっと怪我をしてしまったので、その手術とリハビリのために一度地元に戻りました。そこから5,6カ所受けて、「サンシャイン水族館」とご縁があってという感じですね。
中途の社員もいますよね。魚関係の仕事に就いていた人が水族館にきたりというのもあるので、中途でも飼育スタッフになるチャンスはあると思います。

—-一つすごく気になったのですが、魚関係の仕事ってなんですか?(笑)

タカハシ:水族館向けの卸しの仕事ですね。魚屋さんでも食べる方じゃ無いです(笑) 魚屋さんの共通の認識が(笑)

ツルミ:あと地方自治体とかが運営している園館は、全然ちがうところから飼育スタッフになったりとか。

タカハシ:公務員は、今まで経理とかをやっていた人が異動で急に飼育スタッフになったりとかがあるらしい。

ヨクラ:それはありますね。知り合いでいます。

タカハシ:急に明日から「はい」って。

ツルミ:びっくりしますね。

—-サンシャイン水族館の中の異動と一緒ですね(笑)

ツルミ:この間あったように(笑)

タカハシ:そのもっと規模の大きい感じ(笑)

—-飼育スタッフに向いているタイプ、逆に向いていないタイプについておしえてください。

ヨクラ:恥ずかしいんですけど、すごい偉そうに抽象的なことを話させていただくと…(笑)
向いているタイプは、生き物が好きなのは大前提で、僕が思うのは、大学生の時から水族館に入って何がしたいかを一つでもいいから具体的に決められた人は、入った後も自分の目的を持ってやれると思うので、向いていると思います。
生き物が好きだけなら、別に熱帯魚屋さんで働いてもいいし、趣味で魚を飼っていればいいと思うんです。
水族館の飼育スタッフは、生き物を飼ってその情報を発信することが仕事なので、好きなのは当たり前で、その上でじゃあお客さまに何を伝えたいかとかを何か一つ持っている人が向いていると思います。

向いていない人は、今の逆。ただ、生き物が好きだからだけだと、就職することはできるかもしれないですが、その後に苦労するんじゃないかなと思います。好きなことだけじゃなくて、大変なこともしなくちゃいけない。そういう時に、挫けちゃうかもしれないので。

ツルミ:そうですね…向いている人。もちろん、本当に生き物が好きというのは大前提なんですけど…。

うーん、水族館で働いてますって自己紹介をすると、イルカに乗ってるの?とかって言われたりします。やっぱり一般的に、水族館=イルカ、ペンギン、アザラシっていう感じで、結構華やかなイメージがあると思うんですが、実は、基本的にすごく裏方の仕事です。
なので、華やかな部分に憧れて、どちらかというと自分が目立ちたいっていうタイプだと、もしかしたらギャップを感じるのかなと思っていて。私たちはあくまでも生き物を魅力的に見てもらうための裏方なので、私の中でですけど、目立ちたいタイプはちょっと向いてないのかなと思ったり。
あと、これってなんだろうとか、あれってなんだろうと思わずに、あ、そうなんだで終わっちゃうタイプの探究心のない人だと、仕事をしていく上でなかなかその先に行けないのかなと。どの仕事も一緒だと思いますけど。

—-引き立て役みたいな感じ?

ツルミ:そうですそうです。もう裏方ですね。主役は生き物なので。

タカハシ:パフォーマンスなので、魚がいて初めて自分が横に立てる。主役は生き物。飼育スタッフは、それをいかに前に出せるかって努力をする側だと思います。

ツルミ:その逆で、やっぱり向いている人って思うと、優しいとか思いやりだけで言ってしまうとあれなんですが…、その、生き物を…、なんて言うんですかね、わかります?言いたいこと。

タカハシ:やっぱり命を扱うので、かわいい、かわいそうで終わっちゃいけないのが飼育スタッフだと思いますね。命を最初から最後まで扱わなきゃいけない。「あー死んじゃった。かわいそう」で泣いて、同じことを繰り返しちゃ意味がないので、そうしないためにどうしたらいいのかとか、それも踏まえてちゃんと命に向き合って、同じことがないように、さらに良くしていくにはどうしたらいいんだろうというところまで日々いろいろ突き詰めなきゃいけないんだろうなっていうところ?

ツルミ:伝えるのがむずかしい…。

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